壬と十干の関係

壬と十干の関係

四柱推命における壬と十干の関係について解説します。
日干壬の人が命式の他の天干から受ける影響、日干壬の人と他者との相性占い、日干壬の人の行運などを読む際の参考にしてください。

 

 

 

壬と甲

甲は木材を表すので大河を表す壬を助ける存在にはなりません。
むしろ流木や浮木となって壬に負担をかけることがあります。
うっそうと茂る木々によって美しい河川や湖は隠されるため、甲と壬の組み合わせは壬の清廉性などの良い面が表れにくいでしょう。
ありがた迷惑な世話焼きなどもあるでしょう。
しかし、甲が喜神となる場合は、河川や湖のほとりにある美しい木々となり、甲は食傷としての優れた表現力を発揮するでしょう。
壬も甲も陽干ですので力強さも発揮し、社会で広く能力が認められるでしょう。

壬と乙

乙は小さくて柔らかい植物なので、壬の水面に浮かぶ蓮の花や藻、ほとりに咲くかわいらしい草花を表します。
乙は食傷として美しく繊細な表現力を発揮します。
壬は陽干なので力強い男性像を、乙は陰干なので儚げな女性像を表します。
芸術やスポーツなどの分野で活躍することができるでしょう。
しかし、乙が忌神となる場合は、乙の藻が湖面を覆いつくし壬を汚すでしょう。
口の悪さやワガママなど食傷の悪い面が出たり、自業自得となるトラブルが起きるでしょう。

壬と丙

丙は太陽を、壬は海を表すので、この2つの組み合わせは海の上にさんぜんと輝く美しい太陽を意味します。
太陽に照らされることで水質も良くなり、まさに相乗効果が期待できます。
財運や仕事運に恵まれ、頭脳明晰で人格も兼ね備えた人が多いでしょう。
男性の場合は異性運にも恵まれるでしょう。
しかし、丙が忌神となる場合は、太陽の強すぎる光線によって湖や川は干上がってしまうでしょう。
実生活で才能をうまくいかせず、失職や浪費、病気などの心配が生じるでしょう。

 

壬と丁

丁は人工の炎、壬は海や川を表すので、この2つの組み合わせは海辺に輝く美しい灯りを意味します。
壬と丁は干合の関係で基本的に吉となり、相乗効果が期待できるでしょう。
仕事運や財運に恵まれ、人間関係も円滑で、男性の場合は異性運も良いでしょう。
しかし、丁が忌神となる場合は、干合なだけに苦労が絶えないでしょう。
必死に働いても自由になるお金がなかったり、家族や恋人に悩まされるでしょう。
持病に苦しめられたり、精神的にも消耗しやすいでしょう。

壬と戊

戊は硬い大地を表し、勢い良く自由に流れる壬の水を食い止める堤防となります。
礼儀正しく自制心があり、社会で広く活躍することができるでしょう。
海と大地の組み合わせはスケールが大きいので人望もあり、自然と周囲に人が集まってくるでしょう。
しかし、戊が忌神となる場合は、大量の岩石によって川はせき止められて支障が生じるでしょう。
自己を押さえつける力が強いあまりに、臆病で内向きな性格になってしまうでしょう。
社会運、対人運、恋愛運、健康運などに陰りが生じるでしょう。

壬と己

己は湿った柔らかい土なので、壬の水によって簡単に泥となり、また海や川の水を汚してしまいます。
この組み合わせを己土濁水(きどだくじん)と呼び、社会面において苦労があるでしょう。
掴みどころのない性格をしている人が多く、危険なものに吸い寄せられたり、詐欺被害に遭うリスクが高いでしょう。
しかし、己が喜神となる場合は、水に多少の濁りはあるもののそれがかえって人間的な魅力となって多くの人を惹きつけるでしょう。
アンバランスでどこか危なっかしいところがあるので、周囲からすると放っておけない存在となるでしょう。
特に女性の場合は魅惑的な眼差しがあり、異性運や仕事運に恵まれるでしょう。

 

壬と庚

強い金属である庚は水である壬を生じてくれます。
プライドが高いですが、強く美しく清廉潔白な人が多いでしょう。
ですが理想が高いあまりに妥協できず苦しむ一面もあるでしょう。
一方で、庚が忌神となる場合は、大量の水を生じ大きな湖を作ってしまうでしょう。
そこは閉じられた世界で、外界の言葉に耳を傾けないでしょう。
現実味のない理想にとらわれ、実行力を養うことができず、社会で成功しにくくなるでしょう。

壬と辛

辛は繊細な金属なので水である壬をあまり生じませんが、この2つは和用神の組み合わせとなります。
主に壬がうまく辛を調整し、辛が強い時は弱め、辛が弱い時は補ってくれます。
辛の美しいを宝玉を壬の水が洗ってくれるため、さらに美しくなり、容姿端麗な人が多いでしょう。
また宝のような才能に恵まれる人もいるでしょう。
辛が忌神となる場合でも、和用神の関係ですので基本的には凶意は薄いでしょう。
美しさゆえにプライドが高くなったりナルシストになったりしますが、程度はそれほどひどくはないでしょう。

壬と壬

壬は海や大河などの水を表すため、壬が2つ以上揃ってもお互いはマイペースであまり影響されることなく独立しているでしょう。
ライバルのような仲間や家族を暗示し、お互いの主張が強いため、ヒートアップすると収拾がつかなくなることがあるでしょう。
基本的には助けとならないので吉意は少なく、自力で努力するしかないでしょう。
しかし、壬が喜神となる場合は、多くの河川や湖が美しく壮大な風景を作り出すでしょう。
人生のスケールが大きくなり、ちょっとやそっとの障害ではものともしないでしょう。
特に冬生まれの人は、マイペースに人生を謳歌することができるでしょう。

壬と癸

癸は雨水を表すため、海や川を表す壬にとっては恵みの雨となります。
自分を支えてくれる家族や仲間になり得るでしょう。
特に冬生まれで月令を得ていれば、人から支援を受ける機会が多く充実した日々を送ることができるでしょう。
しかし、癸が忌神となる場合は、雨水によって水量が増し川は大氾濫を起こしてしまうでしょう。
あらゆるものを破壊してしまう破天荒さがあるでしょう。
周囲からも要注意人物だと警戒されるでしょう。