四柱推命における庚と十干の関係について解説します。
日干庚の人が命式の他の天干から受ける影響、日干庚の人と他者との相性占い、日干庚の人の行運などを読む際の参考にしてください。
甲は頑丈な大木で、この大木をコントロールすることができるのは強い鋼である庚のみです。
しかし大木を伐採することで庚も刃こぼれするので、多大なエネルギーを消耗します。
すなわち甲と庚は激しい争いを繰り広げます。
人生において苦労や敵が多く、何事も思い通りにはいかないでしょう。
しかし、甲が喜神となる場合は、着々とハードルを乗り越え立派な成果を収めることができるでしょう。
社会的には成功できますが、私生活の充実は期待できないでしょう。
庚と乙は干合の関係で、弱い植物である乙と強い鋼である庚が同化して本質が変化します。
庚は乙を取り込むことによって強さの中に仁義が生まれます。
また乙は庚にとって財にあたるので、財運、仕事運、男性の場合は恋愛運にも恵まれるでしょう。
しかし、乙が忌神となる場合は、干合なだけに離れることができず、乙に一生つきまとわれる苦労があるでしょう。
金銭、仕事、家庭、健康に関する苦労がじわじわと襲ってきます。
男性の場合は妻や恋人とのトラブルが暗示されます。
丙は太陽を表し、その熱で鋼である庚を痛める存在となります。
丙は庚にとって官殺にあたるので、丙が強すぎれば人生で挫折を経験しやすいでしょう。
挫折をした場合は、心が回復するまで休む必要があるでしょう。
しかし、丙が喜神となる場合は、太陽に照らされた庚が黄金のごとく輝きます。
着々とハードルを乗り越え、上司の引き立ても良く、立派な成果を収めることができるでしょう。
ただし太陽に照らされ続けるため疲労感は否めないでしょう。
丁は人工の炎なので、鋼である庚を練磨するには最良の相手となります。
丁は庚にとって官殺にあたり、練磨された庚は美しさと有能さを示します。
ハイスペックで人格や度胸も兼ね備え、社会的な成功を収めることができるでしょう。
また周囲の人から良くしてもらえることも多いでしょう。
しかし、丁が忌神となる場合は、強すぎる炎で熱され庚は溶けてしまうでしょう。
姿を保てないほど剋され、社会的な地位や健康を損なってしまうでしょう。
戊は硬い山地や大地を表し、その中に金属である庚を生み育てます。
庚にとって戊は頼れる存在でしょう。
人生を能動的に生き、謳歌することができるでしょう。
しかし、戊が忌神となる場合は、山が重くのしかかり庚は埋もれて埋金となってしまうでしょう。
内に才能を秘めていても日の目を浴びる機会がないでしょう。
頑固さや人間関係の不和も暗示されます。
己は湿った柔らかい土で、鋼である庚を母親のようにやさしく包み育てます。
周囲の人から助けてもらう機会が多いでしょう。
己によって庚は剛の中に柔も持つようになるため、決断力がありつつも人当たりが良いでしょう。
しかし、己が忌神となる場合は、土が多すぎて金が埋もれてしまうでしょう。
周囲の過保護によって甘やかされ怠惰になるでしょう。
悪知恵が回り、周囲の人間をいかに利用して楽に生きるかということに注力してしまうでしょう。
庚は強い鋼で刀剣でもあるので、庚と庚が組み合わさると一戦を交えるような信念を宿すでしょう。
表面上は穏やかでも内面には一歩も引かない強さと義侠心があります。
しかし誰かと衝突しやすいため、人間関係での苦労はあるでしょう。
一方で、庚が忌神となる場合は、暴力性を帯びて口が悪くなったり喧嘩沙汰を起こすでしょう。
自己中心的な持論を曲げないため孤立しやすいでしょう。
また事故や病気などでの手術も暗示します。
庚は鋼のような強い金属、辛は繊細な貴金属を表すため、基本的に辛は庚を助けることができません。
しかし、辛が喜神となる場合は、庚の荒々しさを辛の優雅さでフォローすることができるでしょう。
二面性のある不思議な魅力となります。
一方で、辛が忌神となる場合は、優雅さが行き過ぎてプライドが高くなってしまうでしょう。
上から目線の発言が増え、人間関係の不和が心配されます。
社会生活でも私生活でも孤立しやすくなるでしょう。
壬は海や湖などの水を、庚は頑強な金属を表し、金属は水を生む関係にあります。
一方で水も金属を綺麗に洗い流して美しくしてくれる存在でもあります。
素晴らしい才能や容姿に恵まれた人が多いでしょう。
しかし、壬が忌神となる場合は、庚は激流によって流されてしまうか海底や湖底に埋もれてしまうでしょう。
才能があっても、世間で発揮する機会に恵まれないでしょう。
また表現力に難があり、自己満足で終わったり、理解されない状況に心を痛めたりするでしょう。
癸は雨水のような細かい水分を表すため、その湿気で鋼である庚を錆びさせます。
錆びると庚は変性し、その切れ味は失われます。
覇気がなくだらだらと生活し、言葉遣いも悪く心身にも不調をきたす恐れがあります。
しかし、癸が喜神となる場合は、己と同様に湿り気で優しく庚を包み潤わせます。
庚の持つ頑固さや荒々しさを癸がカバーしてくれるでしょう。
信念と決断力は兼ね備えたまま細やかな配慮ができて周囲から高く評価されるでしょう。