四柱推命における辛と十干の関係について解説します。
日干辛の人が命式の他の天干から受ける影響、日干辛の人と他者との相性占い、日干辛の人の行運などを読む際の参考にしてください。
甲は頑丈な木から作られた棍棒なので、繊細な金属である辛を砕いてしまう逆剋が起きます。
働けど働けど出費が多く、財産は貯まりにくいでしょう。
また、辛は月も表しますので、大木である甲が月を遮り、辛の活躍の場を奪ってしまうでしょう。
しかし、甲が喜神となる場合は、辛は木々の間から見える美しい月となるでしょう。
社会で名声を得て尊敬される存在となるでしょう。
ですが、基本的には自分のためではなく家族や他者のために財を使うことになるでしょう。
乙は弱い植物なので小さな刃物である辛によって制御はできますが、乙は傷ついてしまいます。
また乙は一つ一つが小さい草花でもあるので、大きな財は貯まりにくいでしょう。
しかし、辛にとって乙を制御するのは労力がかからないため、財産が貯まらなくても気楽でいられるでしょう。
一方、乙が忌神となる場合は、厄介な雑草である乙を刈り取るがごとく辛はその実力を発揮するでしょう。
辛は鋭利で切れる頭脳を持っています。
困った人物や仕事の多忙さなどに対して、テキパキと対処して解決していくでしょう。
丙と辛は干合の関係で、丙は太陽、辛は月を表すのでまさに特別な関係です。
太陽と月の組み合わせはとても美しく、仕事でも恋愛でも吉意が非常に強いでしょう。
特に丙が男性、辛が女性の場合は理想的なカップルとなるでしょう。
一方、丙が忌神となる場合は、強すぎる太陽の光によって月の存在はかき消されてしまうでしょう。
しかし、なまじ干合の関係であるため、太陽から剋されていることは自覚しにくいでしょう。
気付かないうちに心身が疲弊し、閉塞感が立ち込めるでしょう。
丁は弱い炎ですが、宝玉である辛にとっては強敵となるでしょう。
丁からの剋は非常に強力で、辛の繊細な心は砕けてしまうと言われています。
社会で誰かから攻撃されて失脚したり、病気を患ったり、女性の場合は異性運の悪さが心配されます。
しかし、丁が喜神となる場合は、ほどよい火加減で暖められ宝玉はより美しく映えるでしょう。
美しさや芸術的な才能に恵まれるでしょう。
また自己をコントロールすることにも長けているので、社会で結果を出すことができるでしょう。
戊は山地や大地を表し、宝石である辛を生み出す親となります。
親からの援助や目上の人からの引き立てに恵まれ、比較的苦労なく社会的成功を収めることができるでしょう。
その一方で、自立心がやや欠ける甘えの側面もあるでしょう。
しかし、戊が忌神となる場合は、土が重くのしかかり宝石は埋もれて日の目を浴びることはないでしょう。
土多埋金となり、甘えと怠けが同居して自発的に行動できなくなるでしょう。
自立して生活することができず、誰かに依存して生きていくことになるでしょう。
己は柔らかい土ですが泥土でもあるので、宝石である辛を汚してしまいます。
せっかくの辛の美しさやポテンシャルを損なってしまうでしょう。
また、己の持つ頭の良さや博識が返って嫌味となり、辛の品性に影を落とすでしょう。
しかし、己が喜神となる場合や辛のそばに洗い流してくれる壬がある場合は、己の頭脳明晰さが辛の助けとなるでしょう。
この組み合わせは月に照らされた美しい原野も表します。
世間で才能や美しさを高く評価されるでしょう。
庚は辛と同じ金行ですが、強い鋼でもあるので一緒にいると辛は傷ついてしまいます。
家族や友人など一見親密な関係でも、一緒にいると精神的に消耗するでしょう。
そのため、傷つくことを恐れて身構えたり威嚇したりするところがあるでしょう。
一方で、庚が喜神となる場合は、庚の強さが辛の信念を堅くしてくれるでしょう。
融通の利かなさも生じますが、正義感と忍耐力を持ち合わせた人物になるでしょう。
命式が暖かければ、自分の道を突き詰めても周囲から尊敬されたり信頼されたりするでしょう。
辛は宝石なので複数あるよりも一点で輝く方が良さを発揮できるでしょう。
ですので辛が複数あると、才能があってもアピール力が弱く、成功を掴み取りにくいでしょう。
対人関係も苦手で、周囲からの援助は期待できず、何事も一人で成し遂げなければならないでしょう。
一方で、辛が喜神となる場合は、たくさんの宝石が輝く豪華なジュエリーとなるでしょう。
美しさや才能に恵まれ、目立った存在となるでしょう。
しかし、辛特有の孤高さは残るので、他者と慣れ合うことはないでしょう。
壬は海や河などの水を表し、宝石である辛を綺麗に洗い流して輝かせてくれる存在です。
また壬は辛にとって和用神の相手でもあり、辛の強弱をうまく調整してくれる働きもあります。
美しく才能豊かで、周囲から一目おかれる存在になるでしょう。
アピール力も兼ね備えているので、社会で立派に活躍することができるでしょう。
壬が忌神となる場合でも、和用神の働きがあるので凶意は減少するでしょう。
特別寒い命式でない限り、注意や忠告を受ける程度にとどまり大事には至らないでしょう。
癸は雨水のような細かい水分を表すため、その湿気で繊細な金属である辛を錆びさせます。
言動に問題があったり、計画の立て方が悪かったりするでしょう。
また、癸の雨雲が辛の美しい月を覆い隠してしまうことも表します。
美しさは埋もれ、心身不調になったり病気になったりするでしょう。
しかし、癸が喜神となる場合は、雨は弱まってほど良い湿りを供給するでしょう。
細かいところまで考えられる知性に溢れた美しい人物となるでしょう。