四柱推命における己と十干の関係について解説します。
日干己の人が命式の他の天干から受ける影響、日干己の人と他者との相性占い、日干己の人の行運などを読む際の参考にしてください。
己と甲は干合の関係で基本的に相性が良いでしょう。
己は柔らかい土、甲は大木を表し、強力な組み合わせとなります。
社会的な立場を確立できる人が多いでしょう。
特に月令を得て甲己干合が化土となる場合は、公平な心を持つ人格者で社会的な名声を手に入れられるでしょう。
しかし、甲が忌神となる場合は、干合だけに切っても切れない悪縁となります。
仕事、人間関係、病気などでの苦労が考えられ、女性の場合は夫や恋人にも悩まされるでしょう。
乙は草花を表し、柔らかい土である己は花壇になることができます。
基本的に相性が良く、素晴らしい花園を生み出すことができるでしょう。
社会運や仕事運に恵まれ、世間から高い評価を受けることができるでしょう。
特に女性の場合は恋愛運や配偶者運にも恵まれるでしょう。
しかし、乙が忌神となる場合は、乙の雑草によって己の花壇は養分を吸い上げられ荒れ果ててしまうでしょう。
批判を多く受け、疲弊した弱々しい姿が暗示されます。
丙は太陽を表し、水分を含んだ大地である己を暖めてくれる存在となります。
母のように慈しみ己に力を与えてくれるでしょう。
内部に秘めた資質や能力を大いに引き出してくれるでしょう。
また、目上の人からの引き立てなども大いに期待できるでしょう。
しかし、丙が忌神となる場合は、強すぎる太陽の光によって大地は干上がってしまうでしょう。
心身を消耗して病気になったり、社会的名誉や地位を失うことなどが考えられます。
丁は燃える炎で己は水分を含んだ土を表すため、丁は己を暖めてくれる存在となります。
己もまた炉となって丁の炎を調整するはたらきがあります。
己と丁は和用神の関係で、基本的に相性が良いでしょう。
家族や仲間、上司や部下と協力して目的を達成することができるでしょう。
学問や研究の道でも大きな成果を上げることができるでしょう。
しかし、丁が忌神となる場合は、せっかくの知性を悪い方向に使ってしまうでしょう。
和用神の関係なので凶意はそこまで強くはありません。
戊は硬い土、己は柔らかい土なので、戊は己の弱さを補ってくれる存在でしょう。
戊は己にとって頼りになる仲間や身内となります。
仲間や身内と団結して取り組むことで、目的を達成することができるでしょう。
しかし、戊が忌神となる場合は、悪い仲間にひきずられ凶意も増大するでしょう。
戊から圧力をかけられ、難儀な思いもするでしょう。
仕事や結婚生活において家族や仲間が障害になることが暗示されます。
己は泥や砂の混じった柔らかい土なので、己が集まっても力にはなりません。
同じ考えを持つ人ではありますが、助けたり助けられたりといった作用はないでしょう。
何の変化もない平地が延々と続いているだけなので、特別成功が望めるわけではないでしょう。
しかし、己が喜神となる場合は、広がりのある平地が心の安らぎを生み出すでしょう。
何かを成し遂げようとするよりは心の平穏を重視します。
あるがままに生きる日々が人生の悟りをもたらしてくれるでしょう。
庚は強い鋼で水分を含んだ土である己によって潤金となり、より価値が高まります。
美しい土に優れた鋼の組み合わせでお互いに利益となるでしょう。
表現力、技術力に恵まれ、世間に広く認められるでしょう。
女性の場合は子供が利益をもたらしてくれるでしょう。
しかし、庚が忌神となる場合は、庚によって己はエネルギーは吸い取られてしまうでしょう。
道楽に溺れて道から外れたり、女性の場合は子育てのために犠牲を強いられたりするでしょう。
辛は宝石やナイフを表すので、水分を含んだ土である己の助けとはならず、それどころか己を傷つける存在となるでしょう。
他人を傷つける物言いなどをして、己本来の優しさを損なってしまうでしょう。
またプライドの高い家族や友人から傷つけられることも暗示します。
しかし、辛が喜神となる場合は、鋭さや洞察力が世間で評価されるでしょう。
行動力や財運に恵まれ、優れた作品や子孫を残すでしょう。
また相手の気持ちに寄り添って世話を焼くでしょう。
壬は河川などの流れる水を表し、水分を含む柔らかい大地である己は防波堤にはなれません。
己土濁壬(きどだくじん)となり、基本的に相性は悪いでしょう。
金銭や仕事、人間関係での苦労が暗示されます。
しかし、命式に辛がある場合は、己と壬の間に辛が入ってうまく水を流してくれるでしょう。
表現力に優れ、財もたまりやすくなるでしょう。
また、壬が喜神となる場合は、二面性のあるあやしい魅力を持つでしょう。
癸は雨水を表し、柔らかい大地である己にしみわたります。
恵みの雨のごとく、天から金銭、仕事、良縁などが降ってくるでしょう。
特に男性の場合は結婚相手にも恵まれるでしょう。
しかし、癸が忌神となる場合は、豪雨によって大地は泥沼化してしまうでしょう。
財運、仕事運、健康運などが流出する恐れがあります。
男性の場合は、叶わぬ恋に身を持ち崩してしまうでしょう。