四柱推命における戊と十干の関係について解説します。
日干戊の人が命式の他の天干から受ける影響、日干戊の人と他者との相性占い、日干戊の人の行運などを読む際の参考にしてください。
大木を表す甲は大地を表す戊にしっかり根を張って栄養を吸い上げ成長していきます。
そのため、甲が戊を剋する関係となります。
また、大地が荒れたり硬すぎる場合は木は成長できず、反剋となる場合があります。
基本的に助けたり生み出すような関係ではないでしょう。
しかし、甲が喜神となる場合は、菩提樹の下で悟りを開くように己を適切にコントロールして運を切り開いていくことができるでしょう。
草花を表す乙は大地を表す戊の上に咲き、ほど良い調和を表します。
草花には大地の栄養分を吸い上げてしまうほどの力はありません。
また戊は花をいける花器にもなるため、とても美しい組み合わせになるでしょう。
美しい伴侶を得て社会的な地位を獲得することができるでしょう。
しかし、乙が忌神となる場合は、狭い土地に雑草が繁りすぎて荒れ果てた土地となってしまうでしょう。
それほど凶意は強くありませんが、仕事や家事に忙殺され健康を損ないかねないでしょう。
丙は太陽を表すので、大地である戊を暖めてくれる存在です。
丙は戊に天の恵みを与え、生み出す関係です。
社会的な地位や名声に恵まれたり、学業に秀でた人が多いでしょう。
自然と周りに助けてくれる優しい人が集まるでしょう。
しかし、丙が忌神となる場合は、灼熱の太陽が大地を干上がらせ、何も育たない不毛な大地となるでしょう。
凶意が強く非常に迷惑な存在となるでしょう。
丁は燃える炎で戊は大地を表すため、丁と戊の組み合わせは炉を意味します。
戊は丁の火を守り、火が弱ければ強め、強ければ弱めるという調整作用を持ちます。
また、寒い季節では丁の火が母のように戊を暖めてくれるでしょう。
戊にとって丁を守ることは生きがいとなるため、思想や信念が強い人や母親を大切に思う人が多いでしょう。
また、研究や学問に秀でた人も多いでしょう。
しかし、丁が忌神となる場合は、凶意はそれほどではありませんが、自分のプライドや身内を守るあまりに劣勢に陥りかねないでしょう。
戊と戊の組み合わせは広大な大地にはなりますが、基本的に戊は仲間を頼りにはしません。
戊が重なることでは何の効果もなく、かえって対立してライバル関係になることがあるでしょう。
家族間や仲間内での対立や孤立が考えられます。
しかし、戊が喜神となる場合は、戊が集まることでより力強く立派になることができるでしょう。
内では家族や仲間と対立していても、外では一致団結して物事に取り組むことができるでしょう。
己は泥や砂の混じった柔らかい土なので、戊にとって何一つ助けになりません。
それどころか硬い大地である戊が己を助けることになるでしょう。
やがては戊も己も土として同化していくため、相性は悪くないでしょう。
己が喜神となる場合は、戊は己の面倒を見ることで自身も大きく成長することができるでしょう。
やせ地には壌土が有難い存在となります。
使命や目的意識をもって物事に取り組むことができるようになるでしょう。
庚は強い鋼で錬金されることによってクワやスキになり、硬い大地である戊を開拓することができます。
非常に相性が良く、庚は戊を発展させてくれる存在となるでしょう。
山の金脈や鉱脈を探し当てるがごとく、富や名声を得ることができるでしょう。
しかし、庚が忌神となる場合は、庚の刃物によって戊の大地はボロボロの状態にされるでしょう。
体力やエネルギーを消耗して、病気やさまざまな損失が生じるでしょう。
失言からのスキャンダルにも要注意でしょう。
辛は宝玉の他に月という意味もあります。
山地や大地を表す戊を美しく照らす月となるでしょう。
戊と辛を持つ人は俗世に溺れない高潔な人物であると言われています。
しかし、辛が忌神となる場合は、辛の持つ鋭さが戊の土を傷つけるでしょう。
物の言い方が悪かったり、周囲を顧みない言動で人間関係のトラブルを招くでしょう。
良かれと思ってしたことも相手に伝わらないでしょう。
壬は河川や湖を表すので、大地である戊に直接水分を供給する存在にはなりません。
相性の良くない陽干同士なので、反発が大きいでしょう。
お互い思いやりのない夫婦、反りが合わない共同事業者など人間関係の不和を暗示します。
しかし、壬が喜神となる場合は、陽光を浴びた山と湖のように美しい組み合わせとなるでしょう。
山が男性、湖が女性を表し、理想的な恋人や抜群の仕事相手を暗示します。
癸は雨水を表すため、大地である戊を潤してくれる恵みの雨となります。
戊にとって癸は有難い存在となり、干合の関係でもあります。
仕事運や財運に大いに恵まれるでしょう。
山に雨が降る様子は非常に美しく、男性の場合は情緒のある美しい恋人にも恵まれるでしょう。
しかし、癸が忌神となる場合は、豪雨によって土砂崩れが起きかねない状態となります。
仕事や財の流出、家庭や健康を損なうことなどが暗示されます。