印綬格とは、四柱推命の普通格局(内格)の一つで、命式内で印綬が最も重要な働きをする命式のことを言います。
三合・方合などで印綬が強くなる、月支の蔵干の通変星(月支元命)が印綬となる場合などが該当します。
月支が印綬であると、貴命であると言われています。
豊かな生活を送ることができるでしょう。
印綬は日主を強くする性質があることから、身強であることを必要としません。
逆に、身強すぎると印綬の良い面を生かせず、凶意が生じるでしょう。
しかし、官星の制があればこの限りではなく、貴命となります。
官星がある場合は、官印双全となります。
官星運や印星運が巡ると、発展するでしょう。
正官がある場合は、印綬は正官の敵である傷官を制するため、好命と言われています。
偏官がある場合は、偏官の凶意が印綬によってコントロールされるため(殺印化)、良いとされています。
しかし、この場合は財星運が巡ると、バランスが崩れ偏官の凶暴さが増すため、トラブルに巻き込まれやすくなるでしょう。
先に印星、後に財星があることは良くないと言われています。
これは月支に印星があり、他柱や行運で財星があることを言います。
反対に、先に財星、後に印星があることは良いと言われています。
これは月支に財星があり、他柱や行運で印星があることを言います。
偏印がある場合は、正偏混雑となるため、好ましくありません。
印星過多であると、自己中心的で孤独になりやすいでしょう。
印綬は2個まで良いとされていますが、3個以上は凶意が生じるでしょう。
しかし、財星の制があればこの限りではなく、富命となります。
印綬が大過する場合は、正財があることを喜びます。
正財過多であることは、好ましくありません。
神経過敏もしくは愚鈍になるでしょう。
なお、正財を剋する劫財がある場合はこの限りではありません。
正財がある場合は、比劫星があることを喜びます。
命式に比劫星がない場合は、比劫星が巡る行運で発展するでしょう。
時柱に正財があり、行運で正財運が巡ると、非常に凶意が強くなるでしょう。
仕事を失うかもしれません。
偏財がある人は、財運に恵まれるでしょう。
偏財は正財みたいに直接印綬を剋するわけではなく、かえって良い刺激になるからです。
官星運が巡ると発展するでしょう。
日支の十二運が絶である場合は、絶中逢生と言い、富命であると言われています。
弱い日干が印綬によって活性化されるからです。
印綬は十二運の長生に逢うことを喜びます。
反対に、印綬が十二運の死や絶、七冲に逢うことを嫌います。
せっかくの印綬の福をうまく活用できないでしょう。
しかし、印綬運が巡ると発展するでしょう。
行運で十二運の死や絶が巡るのは、好ましくありません。
大運で印綬が死または絶で、年運でも印綬が死または絶であったり、年運で正財が巡ると、致命的なことが心配されます。
行運の地支によって三合や方合ができ、それらが正財または傷官であると、非常に運気が悪くなるでしょう。
正財は印綬を剋し、傷官は正財を生み出すからです。
印綬に剋や七冲がなければ、健康で長生きできると言われています。
一方、剋や七冲がある人は情緒不安定になりやすいでしょう。
官印双全において、印綬と正官が同じ柱にある場合は、頭が良くモラルがある人でしょう。
印綬と偏官が同じ柱にある場合は、大胆で豪快な性格をしているでしょう。
印綬は母親の意味を持ちますが、年柱と月柱にある印綬は両親の意味も持ちます。
年柱、月柱の印綬が強く傷がない場合は、両親ともに健康で長寿が期待でき、両親の恩恵を受けることができるでしょう。
地支の印綬が空亡に逢う場合は、母親または両親が力にならないでしょう。
印綬が時柱にある人は、才能に恵まれ、子供運が良いでしょう。
印星過多の男性の場合は、子供を意味する官星を漏らすため、子供運が薄いでしょう。
行運で財星運が巡る時に、子供を授かることがあるでしょう。
正財が忌となる印綬格において、日支が正財である男性は、配偶者運が悪いでしょう。
また、時柱に正財がある場合は、晩年運が悪くなるでしょう。
しかし、通関用神にあたる官星があれば、この限りではありません。
命式に印綬がない、もしくは印綬が弱く財星が強い、もしくは印綬過多(3個以上)であると、母親との縁が薄いでしょう。
同様に、命式に偏財がない、もしくは偏財が弱く比劫星が強い、もしくは偏財過多(3個以上)であると、父親との縁が薄いでしょう。
印綬格の人は、好奇心が旺盛で、頭が良いでしょう。
学ぶことが好きで、思慮深く物事を観察し、緻密な考察をするでしょう。
多くの知識を吸収し、学業では良い成績を収めるでしょう。
優しい心を持ち、行動も礼儀正しいでしょう。
モラルがあり、道を踏み外すことはないでしょう。
基本的に身体は丈夫な方でしょう。
母親をはじめとした年配の人から可愛がられる機会が多いでしょう。
他者に対する甘えがあるため、やや自己中心的なところがあり、忍耐力が欠ける一面もあるでしょう。
素直なため、競争社会で気後れしたり、他人に騙されやすかったりするでしょう。
印星は才能を意味する星であり、印綬では頭脳明晰や学業優秀であることを示します。
印綬格の人は仕事で成功する人が多いでしょう。
適職としては、学者、研究職、教師、小説家、会社員、経営者、宗教家、慈善事業などに向いているでしょう。
官印双全であれば、官公庁や大企業などで要職に就くことができるでしょう。
官星がない場合は、学問や専門技術、経営者の道に進むとよいでしょう。
印綬が特殊星の文昌貴人とともにある場合は、教育界や文筆業界で成功するでしょう。
しかし、正偏混雑や印星過多、また剋や七冲の傷がある場合は、集中力が欠けやすく、成功までの道のりが長くなるでしょう。
喜となる行運では、周囲から良い評価を得て出世したり、大事な試験に合格できたりするでしょう。
忌となる行運では、自己中心的になり、周囲との衝突が増え、計画は思い通りにいかないでしょう。
<印綬格の例>
1997年9月8日16時台生まれ
時柱 | 日柱 | 月柱 | 年柱 | |
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天干 | 庚 | 癸 | 己 | 丁 |
地支 | 申 | 丑 | 酉 | 丑 |