暗冲格

暗冲格

暗冲格(あんちゅうかく)とは、四柱推命の外格の一つで、暗冲によって官星の象徴を引き出す命式のことを言います。
別名「冲官格(ちゅうかんかく)」とも言います。

 

暗という字には擬態という意味があり、命式の中にないものを七冲することを暗冲(あんちゅう)と言います。
これに対して、命式の中にあるものを七冲することを明冲(めいちゅう)と言います。

 

暗冲によって官星の象徴が引き出されます。
蔵干が官星となる地支を七冲する地支が命式に3つ以上あることが暗冲格の前提条件となります。

 

普通格局(内格)において、身強の命式で官星や財星がないものは通常凶命とされます。
しかし、暗冲によって官星や財星が引き出されていれば凶命とはなりません。
行運で実際に七冲となる地支が巡って明冲となれば、破格になり凶意が生じます。

 

暗冲格には、倒冲禄馬格、飛天禄馬格、井欄叉格の3種類があります。
それぞれの成立条件は下記の通りです。

 

 

暗冲格 日柱 地支全体
倒冲禄馬格

丙午

午が3つ以上

丁巳

巳が3つ以上

飛天禄馬格

庚子

子が3つ以上

壬子

辛亥

亥が3つ以上

癸亥

井欄叉格

日干が庚

三合水局(申・子・辰)

 

 

倒冲禄馬格(とうちゅうろくばかく)

日柱が丙午で地支全体に午が3つ以上ある、もしくは日柱が丁巳で地支全体に巳が3つ以上ある命式が当てはまります。
丙午では子が忌となり、子の行運で破格します。
丁巳では亥が忌となり、亥の行運で破格します。

 

<倒冲禄馬格の例>

1985年5月18日10時台生まれ

時柱 日柱 月柱 年柱
天干
地支

地支にある3つの巳は亥と暗冲し、亥の蔵干には壬があり、壬は日主丁から見ると正官にあたります。

 

飛天禄馬格(ひてんろくばかく)

日柱が庚子・壬子で地支全体に子が3つ以上ある、もしくは日柱が辛亥・癸亥で地支全体に亥が3つ以上ある命式が当てはまります。
庚子・壬子では午が忌となり、午の行運で破格します。
辛亥・癸亥では巳が忌となり、巳の行運で破格します。

 

<飛天禄馬格の例>

2008年8月28日0時台生まれ

時柱 日柱 月柱 年柱
天干
地支

地支にある3つの子は午と暗冲し、午の蔵干には丁があり、丁は日主庚から見ると正官にあたります。

 

井欄叉格(せいらんさかく)

日干が庚で地支に三合水局(申・子・辰)がある命式が当てはまります。
三合火局にあたる寅・午・戌が忌となり、寅・午・戌の行運で破格します。

 

<井欄叉格の例>

1981年1月2日6時台生まれ

時柱 日柱 月柱 年柱
天干
地支

地支にある三合水局(申・子・辰)はそれぞれ三合火局(寅・午・戌)と暗冲し、火は日主庚から見ると官星にあたります。